腸の働きを助けるメカニズム

乳酸菌は腸内の環境を整えたり、腸内にある機関に働きかけることで、腸の働きを補助しています。
乳酸菌は人の腸内では「善玉菌」、「腸内フローラの一部」という立ち位置になります。
善玉菌は人体に対してよい働きをする細菌、逆に人体に悪い働きをする細菌が、悪玉菌と呼称されます。
これに日和見菌を加えた腸内細菌の総称が腸内フローラ(腸内細菌叢)です。
腸内細菌の中で乳酸菌を含む善玉菌が優位になり、悪玉菌が少数に抑えられているのが【腸内フローラが整っている】【腸内環境が良好】な状態です。
腸内環境が良いものであれば、摂取した食べ物の消化や吸収が滞りなく行われます。

また乳酸菌が生成する【乳酸】という物質は腸に働きかけて、便を体外に排出するための蠕動運動を活発にさせます。
蠕動運動が多く行われることにより、腸内に便が留まらなくなり、便秘を改善させることができるのです。
乳酸が少なく蠕動運動が鈍くなると、便は排出されず腸内に長く居座ります。
すると便は水分を奪われて固くなるため、より排出が難しくなるのです。
また腐敗もどんどんと進み、有害なガスや、発がん性物質を生成してしまう恐れもあります。
乳酸菌で蠕動運動を補助することは、健康を意識する際には非常に重要です。

また腸には体全体の免疫細胞の内、6割以上が集中しています。
つまりウィルスなどから身を守る際に大きな役割を担うのは腸なのです。
腸内にはパイエル板という機関があり、パイエル板によって有害な細菌類の侵入を感知しています。
さらに細菌排除の指令もパイエル板から送られます。
善玉菌には、このパウエル板の働きを活性化させる作用があります。
パウエル板が活発になることで、有害な細菌類に罹患する可能性が減少します。
また感染の予防だけでなく、菌への抵抗力も上がるとされているのです。
乳酸菌を含む善玉菌が働きかけることにより、腸内の免疫システムが、より活発に機能するというわけです。