乳酸菌が善玉菌といわれる理由
乳酸菌が善玉菌に分類されるのは、人にとって有効な働きをするためです。
そもそも善玉菌とは、人の腸内にいる細菌類の中で、人体に有益であるものの総称です。
腸内には善玉菌以外にも、片田に有害な働きをする悪玉菌。
善玉菌と悪玉菌、どちらか優位な方について、その働きに同調する日和見菌が生息しています。
これらの細菌類が集まり、腸内細菌叢(腸内フローラ)を形成するのです。
20%が善玉菌、10%が悪玉菌、70%が日和見菌という割合が理想的とされています。
善玉菌の99%以上はビフィズス菌なので、あまり多くありません。
しかし乳酸菌は、代謝した糖の50%以上という、非常に高い割合で「乳酸」を生成することで出来ます。
ビフィズス菌も乳酸を作りますが、それはごく少量であり、乳酸菌ほど多く生成することは出来ないのです。
乳酸には、酢酸や酪酸といった他の酸と協力して、腸を刺激する効能があります。
刺激された腸は動きが活発になり、働きが促進されるのです。
例えば、便の排泄を促す蠕動運動が活発になります。
排泄が適度に行われることで便秘の改善に繋がります。
排泄のため、便の水分調整もしっかり行われるので、下痢や軟便、硬便の対策にもなります。
便秘が続いていると、腸内留まった便が腐敗して、有害物質やガスを発生させる可能性があります。
それらが血流にのって肌に運ばれると、吹き出物やニキビ、くすみやたるみといった肌トラブルの原因にもなります。
最悪の場合には、発がん性物質が生成され、大腸がんを引き起こす可能性もあります。
定期的な便通で、これだけたくさんの不調やトラブルを防げることもあるのです。
また腸には免疫細胞の60~70%が集まっており、腸の働きが活発になることで、免疫力が向上することもあるのです。
腸内には絨毛という組織があり、その間には「パイエル板」が配置されています。
パイエル板はいわば監視カメラです。
ウィルスや細菌などの有害物質を発見すると、それを体に伝えてを排除するよう指示します。
腸の活性化は、監視カメラの強化にもつながるのです。
このように、乳酸には腸の働きを促進し、様々な体調不良やその原因を、取り除く力が備わっているのです。
そのため乳酸菌は、善玉菌とよばれるのです。